こんにちは、理学療法士のせつこ(@setsukobox)です。
今回は初めて理学療法士としてブログを書いてみようと思います。

ちょっと緊張しています。
今までたくさんの患者さん・お客様の歩行を観察してきましたが、靴の選び方によって歩行能力に差が出ていると感じています。
そのため、履きやすい・履かせやすい・歩きやすい靴について書いてみます。
両親や祖父母の靴選びを手伝ってあげたり、記念日にプレゼントなんていうのもいいかもしれません。
- 両親・祖父母に靴をプレゼントしたい方
- 高齢者にはどのような靴がいいか分からない方
- リハビリや介護を受ける際の靴を探している方
- 靴を選ぶ基準を知りたい方
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私のプロフィール



こんにちは、理学療法士のせつこです。
- 関東在住
- 40代前半
- 理学療法士歴14年目
- 中枢系疾患(特に脳血管疾患)が得意
- 急性期〜回復期病院に勤務
- 現在はデイサービスでパート勤務
私たち理学療法士は、基本動作の専門家として、医療や介護分野で勤務しています。
特に歩行に関しては、並々ならぬ情熱があります。
そのため、少し使いやすい道具があればもっと安全に歩けるのにという人を見かけると放っておけないのです。
特に靴と靴下は歩く時のパートナーですので、ご自分の能力に合ったものを選んでいただけると安心です。
若い方は問題ありませんが、高齢の方(80代以降)や歩くのに慣れていない赤ちゃんにとっては道具が大切です。
ぜひ、身近な方の靴を選んで差し上げてください。



安全に歩ければ行動範囲が広がり、QOLも向上します。
靴を選ぶポイント10選
このような項目になりました。
これを一つずつ説明してみます。
読んでみたいところをクリックしていただければ、飛ぶことができます。
履き口の広さと伸縮性


履き口は足を入れる入り口のことです。
元気な人は、つま先に力を入れてつま先を下向きにし、靴に入れやすいようにします。
でも、高齢者の場合は、足首が硬かったり、筋力がないため、その形を取ることが難しいことが多いです。



そもそも靴を履くために足を上げるのさえ困難な人もいるのです…
そのため、履き口は広く、足を入れやすいように伸縮性があるといいと思います。
甲の押さえ方


靴の中に足を固定させるためには、甲の押さえが重要です。
この甲の締まり具合を調整するのに、紐やベルトがついています。
紐だと指先が上手く動かない場合は締めるのが難しいです。
特に子どもはリボン結びができないので、ベルト式が便利だと思います。
高齢者でも、紐靴が解けていることに気が付かず、踏んで転倒なんてことも考えられますから、やはりベルト式を選んでおいた方が間違い無いです。
椅子に腰掛けて、前屈みになり紐を結ぶという動作は、身体が動きにくくなってきた高齢者には難しいことが多いです。



自分の身体が元気だと、どうゆう動作が難しいかなかなか分からないですよね。
甲を押さえるベルトの種類


ベルトの太さと止め方も重要です。
あまり細いと引っ張るのが大変ですし、ホック式だと指先が上手く使えない人にはやりづらいです。
一番いいのは、写真のような太めのマジックテープ(ベルクロ)がついてる靴だと思います。
甲の深さ


靴は、甲の押さえ・足底・踵部の3点で支えています。
そのため、甲の浅い靴は、支えがない状態で歩いているのと同じなので、非常に疲れますし、足への負担も大きくなります。
そのため、甲の深さはとても大切です。
甲の高いところまでしっかり覆ってくれるものを選ぶといいと思います。
ただ、人によって甲の高さが違うので、ベルクロなどで調整できる方がいいです。
介護用はベルクロの長さまで変更できたりするので、浮腫が強い場合などは利用されると良いと思います。
カポカポで歩いてる人がたまにいますが、転倒の危険が非常に高くなりますので、しっかり止めて歩いた方がいいですね。



女性はわかると思いますが、甲の浅い靴はとっても疲れますよね。
踵の硬さ


靴の中にしっかりと足を固定し、踵が地面につくときの衝撃を吸収してくれるので、踵の硬いものを選んだ方が良いです。
特に子どもは、骨も柔らかいので、踵にしっかり芯の入ったものを選んで履かせています。
踵にタグなど履きやすい工夫


靴が履きづらい時に、踵と靴の間に指を入れて履くことがあると思います。
これは、指の動かしづらい人には難しいですし、指や関節を痛めてしまうこともあります。
そのため、踵の部分にタグをつけて履きやすくしているものをよく見かけます。
写真のように指が入る輪っかになっていると比較的簡単に踵を引っ張ることができます。
少しの工夫で、高齢者も子どもも自分で履くことができます。


もちろん、靴べらのような道具があれば、利用するのがいいですね。
長い靴べらだと屈まなくて良いので、安全に靴を履くことができます。
幅広の展開


靴のサイズというと、長さのことを思い描く方が多いですが、靴のサイズは長さと幅で決まります。
Eの数が増えると幅が広くなります。
靴によっては9Eまであります。
高齢になると足が浮腫んでいる人がとても多いです。
そのような場合は、靴の長さは変えずに幅を広げると無理なく履けると思います。
つま先部分の形


つま先の形の種類5つ
スクエアートゥ | ラウンドトゥ | アーモンドトゥ | ポインテッドトゥ | オープントゥ |
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足の指の長さが 均一の人に合う | 親指より2番目の 指が長い人に合う | 親指の付け根が 当たりやすい | 指で踏ん張りにくい | 前方へ滑る |
最近はビジネスシューズでも先の尖っている靴を履いている人が多いですが、先がすぼんでいると歩いている時にも足の指が機能せず、踏ん張りが効きません
そして、足のサイズより靴が長いので、つまずきやすくなります。
高齢者にはおすすめできません。


また、室内履きとして、このような前方が開いているシューズを履いてる方がいらっしゃいます。
履かせやすいし、履きやすいのですが、歩くときには前方へ滑りやすいです。
指が前に出過ぎて、床についていることもあります。
また、爪に疾患があったり、弱くなっていると家具にぶつけて怪我をすることもありますので、歩行能力が低下している方はできれば避けたほうがいい形と言えます。
靴底の硬さと厚さ


靴底の厚さは、足の裏にかかる衝撃を緩和してくれすます。
そして、つま先は少しだけ上に反らせることにより、つまずきを解消してくれます。
踵とつま先の高さの差は1〜2cm程度だと足に負担をかけずに歩けます。


そして、靴底は適度な弾力があった方が蹴り出しやすいです。
特に歩き始めたばかりの赤ちゃんは歩行が安定していないので、靴底に柔軟性があり、足の動きに合わせて自然に曲がるものがおすすめです。
少しつま先が上がっていて、靴底に柔軟性があると歩行をサポートしてくれますよ。
靴底の滑りにくさ


足の筋力が弱っている高齢者が立ち上がるときに、靴の底がスリッパのようにツルツルしていると滑ってしまい立ち上がれないことがあります。
滑り止め機能やグリップがある方が動きやすいです。
介護用だと室内用と外履き用で靴底の素材が違う場合があるので、用途に合わせて選ぶといいと思います。
おすすめの靴
上記の10選を踏まえて、おすすめの靴を選んでみました。



履きやすいので、気に入っていただけると嬉しいです。
靴はできれば試着をしてから購入することをお勧めします。
試着する際のポイント
- 両側とも一緒に履いてみる
- 履いたら立って足踏みをしてみる
- 朝よりは午後の方が足に合わせやすい(浮腫むため)
- いつも履いている靴下を履く
このように試着して、当たるところはないか、緩すぎるところはないかを確認してください。
1人で歩ける方:クラース カノンⅡ


クラースより

この靴は、転倒しないように、しっかり足をホールドしてくれて、踵も固め、履きやすいようにタグもついています。
足底の硬さや厚さ、滑りにくさも考慮されています。
高齢で少し歩きにくくなってきたなって方にも安心です。
そして、なんと言ってもおしゃれなんですよね。



おしゃれは元気の秘訣なので、ぜひおしゃれしてお出かけしてもらいたいですね。
この会社にはCRAASコンシェルジュサービスというのがあって、550円払うと希望の靴のサイズをいくつか送ってくれるそうです。
そしてお家でゆっくり試着してから気に入ったものだけ購入するというシステムです。
しかも、購入すれば購入代金から先に払った550円は引いてくれるので、使って損はないサービスだと思います。
靴はやはり履いてみなければわかりませんので、こういったサービスをうまく使って、足に合う靴を探したいですね。
CRAASコンシェルジュサービス


遠方にいる家族にも試着してから選んでもらえるのはいいですね!




介護を受ける方:あゆみ・快歩主義
介護を受けている方は、自分で買いに行けないことも多いと思います。
ご家族が選ぶときの参考にしていただければ幸いです。
徳武産業 あゆみ:ダブルマジック


定番ですが、やはり「あゆみシリーズ」は安定感があります。
履かせる時も大きく履き口が開くので介助しやすいですし、サイズ展開が豊富で、左右別のサイズなどを選ぶことができるので、疾患や状態に合わせて選ぶことができます。


また、パーツ変更も充実しています。
ベルトの長さを調整したり、足底をより滑りにくい素材に変える、ベルトにループをつけるなど、あらゆる状態を想定した靴をセミオーダーで注文できます。
足がむくみやすい人や、装具をつけている人もこのシリーズであれば、足に合うものが見つけられますよ。


アサヒシューズ 快歩主義


こちらの快歩主義も定番ですが、とても軽くて履きやすいです。
少し、女性らしいデザインのお好きな高齢者には喜ばれると思います。


子ども:ニューバランス 313・996


長男の足は比較的細めで、甲もあまり高くなかったので、ニューバランスの靴を履かせることが多かったです。
踵がしっかりしていて、毎日履いても形が崩れることはなかったです。
足底の柔らかさとつま先の上がりもしっかりあるので、歩きやすそうと感じていました。
小さい頃はこの313を履いていました。
カラーも豊富で、男女どちらでも履くことができます。
だいたい半年に1度買い替えていましたが、壊れることなく下の子にも履かせることができました。


996は大人のサイズもあるので、親子コーデも楽しめます。
シンプルなデザインで男女問わず使えます!



兄妹でもお下がりが使える優れものでした。


理学療法士が靴を選ぶポイント10選でした
少しでも皆さんの靴えらびの参考になれば嬉しいです。
素敵で履きやすい靴を履いて、楽しい時間を過ごしてください!



安全に歩いて、健康寿命を伸ばしましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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